Road to LA vol.2|LA2028に向けての強化方針・競技力向上を支える体制

ロサンゼルスオリンピック(LA 2028)出場に向けた中期計画が、この春、JBA(日本バスケットボール協会)から発表されました。

※出典元:3x3 JAPAN TOUR 2025 U23 Category Pre-Season Games 報道資料

1RIMでは、3x3競技が初めての方にもわかりやすく、出場までの道のりをお届けしていきます。今回は「LA2028に向けての強化方針」について解説します!

2025年・上期の世界大会スケジュール

まず、今年度の世界大会に関連するスケジュールです。赤が大会、グリーンは強化合宿を指しています。
5月に開催された「3x3 ディベロップメントキャンプ」を皮切りに、LA2028に向けてスタートした日本代表。色んな世界大会が近い日程で行われているのが分かりますよね!

海外コーチの招へいで競技力アップへ

前回の記事でもご紹介した通り、日本代表のLA2028に向けた強化方針の柱のひとつが、「海外コーチの招へい」です。

3x3は5人制バスケットボールに比べて競技としての歴史が浅く、専門的な指導者の数もまだ限られています。それは、FIBAランキングにも反映されており、強化が急務となっている分野です。アジアでは中国、モンゴル、シンガポールなどが国を挙げて取り組み、世界大会でも好成績を収めています。

そこでJBAは「選手たちの競技力向上を支える体制づくり」を強化案として打ち出しました。
具体的には、海外から優秀な指導者を招き、コーチングスタッフの育成と、世界基準のプログラムや戦術の導入を進めています。国内で選ばれた選手たちが本気で3x3に取り組み、個人・チームともにレベルアップできる環境づくりが始まっています。

セルビアの名将、ミラン・イサコフ氏が合宿に参加

2025年6月、ワールドカップに向けた強化合宿に招かれたのが、セルビア出身のミラン・イサコフ氏です。
バスケットボールコーチとして2009年から活動し、セルビアをはじめ、中国・ロシア・オーストリアなど各国で代表チームのヘッドコーチを務めてきた名将です。

今回の女子日本代表の合宿では、ピック&ロールの攻防に重点を置いた練習を展開。
「無駄に動かず、効果的かつ効率的にプレーすること」をテーマに、3x3特有のスキルを丁寧に指導したと合宿レポートに記されています。

男子・女子のヘッドコーチは

男子日本代表のヘッドコーチに就任したのは、中祖嘉人(なかそ・よしと)氏。
2017年から3x3日本代表に携わり、育成システムの改善や競技普及に尽力してきた、日本の3x3指導者のパイオニア的存在です。
(ちなみに、1RIM編集部では中祖さんの著書「1冊でわかる3x3バスケ入門 ルールから戦術、練習法まで」は“必読書”です!)

女子代表のヘッドコーチを務めるのは、前田有香(まえだ・ゆか)氏。
2007年から5人制、2018年からは3人制の選手として活動し、2022~2024年は桂葵選手率いるZOOSでプレー。ドイツを拠点に、2023~2025年には5人制チームでアシスタントコーチも務めました。
選手・指導者両面での豊富な経験と国際的な視野から、就任当初より大きな期待が寄せられています。
2025年度3×3女子日本代表チーム 前田有香ヘッドコーチ就任

FIBA 3x3 ワールドカップ 2025での戦績(モンゴル・ウランバートル)

6月23日~29日に開催された本大会では、日本代表は男女ともに健闘を見せました。
女子日本代表 はグループステージを3勝1敗で突破し、最終的に9位にランクイン。世界の強豪国と互角以上に戦い、今後への可能性を感じさせました 。

男子日本代表 は5勝2敗の成績で予選を突破。しかし、プレーイントーナメントでプエルトリコに14–22で敗北し、最終順位は12位という結果に終わりました 。

男女ともベスト8には届かなかったものの、着実に世界との差を詰めており、メンタルや戦術面での成長が手ごたえとして得られたとの報告もあります 。

男子のレポート記事はコチラ
女子のレポート記事はコチラ

©FIBA

FIBA 3x3 ウィメンズシリーズ2025 ジャカルタSTOPで優勝!

ワールドカップからひと月足らずで開催された7月24日・25日に開催された女子の大会 ウィメンズシリーズジャカルタSTOPで、女子日本代表は見事優勝!

2日間で7試合を行うタフなスケジュールの中、競合のウランバートル・オーストラリアをくだし、初のウィメンズシリーズ優勝を勝ち取りました。
この勝利で、フェデレーションランキング順位を上げています。

レポート記事はコチラ

©FIBA

LAへの道は、すでに始まっている

海外コーチの知見と国内コーチ陣の経験、そして本気で挑む選手たち。それらがひとつになって積み重なり、LA2028という大舞台へとつながっています。

ワールドカップで得た収穫を次の強化に生かしながら、日本の3x3は確実に前進しています。次回は、LA2028に向けての強化方針案 「世界転戦活動による競技力の向上」についてお伝えします。
Road to LA、まだまだ続きます!

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