
ロサンゼルスオリンピック(LA 2028)出場に向けた中期計画が、この春、JBA(日本バスケットボール協会)から発表されました。
※出典元:3x3 JAPAN TOUR 2025 U23 Category Pre-Season Games 報道資料
1RIMでは、3x3競技が初めての方にもわかりやすく、出場までの道のりをお届けしていきます。
今回は、LA2028に向けた日本代表の強化方針のひとつ、「世界大会の継続参戦」について解説します!
Contents
世界を転戦し、競技力とポイントを高める
以前の記事でも紹介した通り、オリンピック出場権を得るには「NFポイント(国別ポイント)」をしっかり積み上げていくことが非常に重要です。さらに、世界大会に出場するだけでなく、勝ち上がっていくことでより多くのポイントが獲得できます。
そのためにも、「世界でも戦えるチームづくり」が必要であり、日本代表は今後、継続的な世界大会参戦を基本方針としています。

これまでの課題を整理
JBAは、これまで世界大会参戦にあたって、次の2つの課題があったと明らかにしています。
・国内リーグとの日程調整の難しさ
FIBA 3x3シーズン(4月〜10月)は、3x3.EXE PREMIER(スリー・エックス・スリー・エグゼ・プレミア)や3XS(トライクロス)など国内リーグのシーズンと重なりやすく、選手の招集が難しい状況が続いていました。
個人の拘束時間や所属チームへの影響も考慮し、これまでの世界大会には、3人制専任の選手ではなく、5人制のオフシーズン中の選手が選出されるケースも多く見られました。
・3x3特有の戦術や強化活動への対応の難しさ
3x3は競技としての歴史はあるものの、国際的な公式スポーツとしては発展途上の部分もあります。デュアルキャリア(他の仕事と両立)で活動する選手も多く、合宿や遠征への参加において、職場や家庭など周囲の理解を得るのが難しい場合も考えられます。
また、予算や環境の制約もあり、5人制に比べて継続的な強化活動のハードルが高かったのかもしれません。
日本代表の覚悟が見える、新たな強化方針
LA2028に向けた強化方針として、JBAは以下を掲げています。
「世界転戦(基本活動)×継続性×同一メンバーでの移行を目指す」
特に重視されているのが、以下の2点です。
①継続性
単発の大会参戦ではなく、ツアー形式・シリーズ形式の大会に継続的に参加することで、国際経験を積みながら強化していくという考え方です。
②同一メンバー
これまでは、大会ごとに5人制・3人制のトップリーガーを集めてチームを編成していましたが、今後はJBA独自に人材を発掘・強化招集し、「代表候補グループ」を形成。
トップリーガーに限らず、将来性ある選手も含めて、継続的かつ集中的に育成・強化していく方針です

2025年シーズンと、それ以前の違いは
ここまでの方針が、実際に2025年シーズンにどう反映されているのか?
2020年以降の出場実績や、代表選手を比較してみました。
日本代表チームの世界大会出場実績(1RIM調べ)
直近で目立つ成果としては、アジア圏では年々存在感を発揮できていること。特に、女子チームの成長は目ざましいものがありますね。
また、U23カテゴリやネーションズリーグなどの若手の大会は、近年好成績をおさめていることも分かります。

東京2020オリンピック・FIBA 3x3 ワールドカップ2025 出場選手比較(1RIM調べ)
続いて、出場選手についても比較してみます。
4年前の東京2020オリンピック出場選手と、今年のワールドカップの出場選手です。
まず、東京2020オリンピックの出場選手について。
男子は3x3のプロチームに所属していたのは落合選手・保岡選手のみ。5人制の日本代表(2022年・2023年)で有名な冨永選手は、2019年のネーションズリーグに出場し、日本代表に選ばれています。
一方、女子は5人制チームに所属している選手のみで構成されており、3x3専任メンバーは不在でした。馬瓜ステファニー選手・山本麻衣選手は3x3のプロチームには属していないものの、2018年から3x3と5人制をかけもちで競技していました。
【東京2020オリンピック 出場選手】

そして今年のワールドカップメンバーです。
東京オリンピックから4年。代表メンバーは大きく入れ替わりました。
男子は全員が3人制専任プレーヤー。国内の3x3プロチームでキャリアを積む選手たちが集まり、このメンバーでFIBA 3x3アジアカップにも出場。連戦を重ねる中で、着実に順位を上げる成果を出しました。
女子も、3x3専任選手の台頭が目立ちます。特に、桂葵選手(3x3チーム「ZOOS」オーナー)は世界大会につながる「QUEEN of QUEENS」を主催するなど、独自の活動が目立ちます。
髙橋芙由子選手は、FLOWLISH GUNMA.EXEに所属し、アジアカップでは日本代表として活躍。2025大会では銀メダル獲得に大きく貢献しました。
【FIBA 3x3 ワールドカップ2025 出場選手】

将来的には、FIBA国際大会が日本で開催されるかも
JBAは、将来的には、FIBAの国際大会の招致・自国開催による高ポイント獲得を視野に、と明言しています。
2025年現在、FIBAの国際大会は「3x3 World Tour」の宇都宮オープナーのみ。栃木県・宇都宮市は2016年から本大会の開幕戦を誘致しており、毎年大変賑わいを見せています。日本で世界レベルの大会が開催されると3x3競技のファンも増え、より一層競技が盛り上がることが期待できますね!

これからの日本代表を一緒に応援!
日本代表が挑むのは、世界で戦うための本気の布陣づくりはまだ始まったばかりですが、確かなステップが積み上がりつつあります。
世界を相手に、日本代表がどこまでいけるのか——
その成長を見届けるのも、声援を送るのも、今この瞬間から関われる「あなた」です。
今後も1RIMでは、代表の戦いを追いかけながら、3x3の魅力や舞台裏もお届けしていきます。LAまでの道のり、一緒に楽しんでいきましょう!