
SHINAGAWACC WILDCATS.EXE(以下 品川CC)は、2019年に東京・品川エリアを拠点に発足したチーム。国内最大級のリーグ 3x3.EXE PREMIER では4年連続プレーオフ進出を果たし、その以外の国内リーグや海外戦にも精力的に参加しているチームです。選手全員が日本人で、企業で勤めながら選手活動を行う「デュアルキャリア」を体現するメンバーで構成されているのも、チームの特徴です。
チーム内でも若手選手にあたる、加藤 穂高選手と米田 祐翔選手は、大学生から3x3を始め、今も“挑戦の舞台”に立ち続けています。社会人として働きながら、3x3のプロチームで戦う―デュアルキャリアを体現する選手たちは、どんな日々を送っているのか、そのリアルに迫ります。
大学時代に出会った「3x3」が人生を変えた
まずは自己紹介をお願いいたします。
加藤:SHINAGAWACC WILDCATS.EXEの加藤 穂高(かとう・ほたか)です。26歳、神奈川県出身です。駒澤大学在学中の2020年に練習生としてチームに加入し、今年で6年目になります。新卒で入社した会社でセールス業務を担当しています。5人制の社会人チームにも所属していて、仕事とバスケ中心の生活を送っています。
米田:同じく、SHINAGAWACC WILDCATS.EXEの米田祐翔(まいた・ゆうと)です。
24歳、千葉県柏市出身です。大学時代に3x3を始め、これまでは別のチームでプレーしていましたが、昨シーズン(2024年)から品川CCに加入しました。
また、今年からは5人制のクラブチームにも所属していて、仕事はそのチームが運営している施設管理の業務を行っています。

お二人とも3x3を大学時代から始めたとのことですが、始めるきっかけについて教えていただけますか。
加藤:私は大学3年生のときに、コロナで部活動が一切できなくなったのがきっかけでした。バスケができる環境を探していた時に、当時 品川CCに所属していた高校の同級生が声をかけてくれました。それが縁でトライアウトを受けて、練習生として入団しました。
米田:僕は、通っていたバスケスクール「レオヴィスタ」のオーナーに「3x3をやってみないか」と声をかけてもらったのがきっかけでした。
実は、日本大学出身だと言うと誤解されがちなのですが、バスケ部には入っていないんです。大学のバスケ部にはトライアウトで落ちてしまって……(笑)。
大学時代はレオヴィスタを中心に3x3で活動をして、今年から同チームの5人制クラブチームでも活動をしています。
誰とでも同じ舞台に立てる、それが3x3の魅力
3x3のプロ選手になるほどに競技にのめり込めたのは、どんなところに魅力を感じたからでしょうか。
加藤:そうですね…当時の私が感じていた魅力は、「誰とでも同じ舞台に立てる」という点だったと思います。
関東の大学リーグは数も多く、所属している大学によっては、エース級の選手や強豪校と試合できる機会がほとんどないことも多いです。ですが、3x3は所属や経歴・年次に関係なく、強い選手たちとフラットに対戦ができます。それが純粋に嬉しくて、プレーをしていてとても楽しかったです。
米田:僕は最初から上手くできたわけではなく、3x3を始めた当初は本当に必死でした。
慣れてくると、自分より上手い人たちとプレーするのが楽しくなっていきましたね。強い人に勝てるとまた楽しくなり、一緒にプレーする中でたくさん刺激をもらいました。コートに立つたびに自分のプレーが変わっていく感覚も、魅了される理由のひとつだったと思います。

「強い人と戦う経験」がご自身を強くしていたんですね。
米田:そうですね。学生のうちから3x3をやっていて本当に良かったです。
もし、部活動だけの生活だったら、2m近い外国人選手と対峙する機会なんてなかったと思うんです。3x3では、自分よりもハイキャリアの選手や外国人選手とマッチアップできて、その経験値が自分の成長を加速させてくれます。経験が今の自分を形作ってくれているので、早いうちにやっていて良かったと感じています。
加藤:私も3x3をやって、バスケが上手くなったと感じてますね(笑)。
10分間の中で、目の前の相手とどう戦うか?を高速で考え続けるので、バスケIQが自然と鍛えられました。個の力が伸びると、5人制にも還元できるので、それがモチベーションにもなっています。


社会人プレイヤーの、リアルな日常
お二人は仕事をしながら、3x3のプロ活動に加えて、5人制でも活動されています。どんな生活を送っているのかが気になるのですが…。
加藤:うちのチームは全員が仕事をしながらプレーしているので、「仕事ファースト」に、各々で自分のスケジュールを調整しています。みんな自立しているので、「自分のことは自分でやる」スタイルですね。
仕事の予定で練習に行けない時は、個人で練習したり、トレーニングで調整したりしています。平日は夜に週2回練習、週末は試合、というのがシーズン中の生活です。


米田:僕は千葉から品川まで通っているので、平日はなかなかみんなと食事に行けないんですが、試合後は必ずチーム全員でご飯に行きます。職場が同じメンバーもいたり、5人制でも同じチームに所属している選手がいたりするので、練習以外で個別で顔を合わせる機会が多く、チーム内のコミュニケーションは多い方だと思います。

学生プレイヤーへ伝えたい「一歩踏み出す勇気」
「3x3に興味はあるけど、どう動いて良いかわからない」という学生選手が居たらどんなアドバイスをされますか?
加藤:最近は、私の周りでも3x3をやりたい学生が増えていると感じます。
ただ、「部活動を辞めて3x3に一本化する」ことはおすすめしていません。ハードにはなりますが、両方やるのが一番です。3x3で個人スキルを磨きながら、それを5人制に還元する。そうすれば自信もつき、プレイヤーとしても確実に成長できると思います。
米田:興味があるなら、迷わず挑戦してみてほしいです。
まずは気になるチームを見つけて、自分でSNSに問い合わせてみるなど、一歩踏み出すことは大事。3x3は、自分の足りない部分が明確に見える競技です。誤魔化しが効かない分、自分を試すには最高の環境だと思います。やってみて損はないです。

(写真左)
SHINAGAWACC WILDCATS.EXE
米田 祐翔(まいた ゆうと)
2001年 千葉県 出身。
足立学園高等学校卒業後、日本大学に進学。大学時代はsomecityの勉族、3x3のプロチームLEOVISTA BBに所属。大学卒業後、品川CCに移籍。
5人制では、プロバスケットボールクラブ LEOVISTA KASHIWAに所属。
(写真右)
SHINAGAWACC WILDCATS.EXE
加藤 穂高(かとう ほたか)
1999年 神奈川県 出身。
東海大学附属諏訪高等学校卒業後、駒澤大学に進学。バスケットボール部キャプテンを務める。2020年に品川CCに練習生として入団し、2023年より契約選手としてプレー。
また、社会人チーム 横浜ギガスピリッツで5人制プレイヤーとしても活動中。
SHINAGAWACC WILDCATS.EXE 公式チームサイト
https://shinagawa.cc/3x3-basketball/
SHINAGAWACC WILDCATS.EXE 公式Instagram
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SHINAGAWACC WILDCATS.EXE 公式X
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SHINAGAWACC WILDCATS.EXE 公式Youtube
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