3x3のデュアルキャリア|戦う最大の理由は、チームの勝利のため。(HOKUSO RHINOS.EXE ・前田真吾選手)

今回お話を伺ったのは、HOKUSO RHINOS.EXEに所属する前田真吾選手です。大学卒業後に一度競技から離れるも、ストリートバスケをきっかけに3x3のプロ選手となった前田選手。平日はビジネスマンとして働きながら、週末はコートで全力を注いでいます。
「すべてはチームの勝利のため」という揺るぎない信念が現れている熱いプレースタイルは、他のプロ選手たちも一目置くほど。そんな前田選手の競技ストーリー、仕事との両立、そしてチームのために戦い続ける理由について話を聞きました。

競技への原点回帰:ストリートからプロへの道

―自己紹介をお願いいたします。

HOKUSO RHINOS.EXE(以下 北総ライノス)の前田真吾です。年齢は28歳、千葉県出身です。3x3では神奈川県の相模原プロセスに2022年〜2023年に所属し、2024年から北総ライノスで競技をしています。
仕事は、注文住宅を請け負う工務店の営業として勤務しています。

―前田選手のこれまでのバスケキャリアを教えてください。

バスケを始めたのは小学校4年生の時です。実業団や社会人でバスケをしていた両親、そしてミニバスに通っていた姉の影響もあり、バスケは幼い頃から身近な存在で、中学から大学まで競技を続けていました。大学卒業後は、自分の中で区切りを付けて、一度バスケットボールから離れる道を選び、新卒入社した企業でサラリーマンをしていました。

社会人になってからは、ちょうどコロナ禍ということもあり、筋トレなどで体を動かすことは続けていましたが、やはり「バスケがしたい」という気持ちが芽生えて、近くの体育館でボールを触るようになりました。
そこから友人の誘いでストリートバスケを始め、改めてバスケ本来の楽しさを実感し、「もう一度、競技者になりたい」と強く思うようになったんです。

―3x3との出会いは、いつ頃なのでしょうか?

3x3に初めて出会ったのは、大学生の頃です。
当時、3x3選手としてプレーしていたチームメイトの勧めもあり、大学の練習に取り入れたのがきっかけでした。ただ、その頃はコート内での力の抜きどころがわからず、10分間全力で動き回ってしまって「この競技は難しいな」と感じていました。
自分が3x3のプロプレイヤーになることを、この頃は想像もついていなかったと思います。

―そんな前田選手が 3x3のプロ選手になろうと思ったキッカケを教えてください。

高校の先輩が、2020年の東京オリンピックで3x3日本代表としてプレーしている姿を観たことがキッカケでした。日本代表として戦う姿に、「3x3を本気でやってみたい!!」と強く心を動かされたんです。

そこからは、3x3のチーム練習に参加したり、仲間から情報を集めたりしながら、本格的に所属できるチーム探しを始めました。

覚悟を決めたものの、当時はまだ3x3の競技を十分に理解できていない自覚があったので、「この競技を早く上達するには、とにかく練習しかない」と考え、練習量がしっかり確保できる環境を軸にチームを探していました。複数チームのトライアウトを経て、2022年に相模原プロセスに加入し、3x3プレイヤーとしての日々がスタートしたんです。

今のチームの北総ライノスは、2024年に参加しました。
地元のチームということもありますし、昔からのつながりのある仲間も多く、その環境でプレーしたいと思いました。
ライノスはすごく真面目なチームカルチャーで、「チームのために動ける人」が多いと感じています。チームを応援してくれている皆さんの期待に応えたいという強い意志を持っている、勝利に真摯な集団だと思っています。

デュアルキャリアのリアル:挑戦と両立

―それでは、前田選手のお仕事について教えていただきたいです。

大学卒業後は新卒で入社した会社に約2年間勤めていましたが、今年から別の会社に転職しました。
前職は夜勤が必要な仕事だったため、プロ活動との両立が難しい状況でした。
バスケを続けるために転職活動をしていたところ、プロ活動を応援している企業とご縁があって、転職することになりました。

―平日はビジネスマン、週末はプロ選手、デュアルキャリアは体力的に大変だと思いますが、実際はいかがでしょうか。

体力的な大変さは、実はそれほど感じていません。(笑)
遠征があると「少し疲れたな」と思うことはありますが、それよりも僕の場合は、メンタルの切り替えがまだまだ難しいですね。
試合で負けてしまった次の日に、仕事の合間で「こうすればよかったな」と思いを巡らせてしまうこともあります。

これは他のビジネスマンにも言えることだと思いますが、転職ならではの大変さも感じています。
これまで経験してこなかった業界ということもありますが、専門的な知識が必要な業務なので、覚えることが多く、毎日が勉強です。
大変な部分もありますが、自分が本当に好きで選んだ道だからこそ、仕事とバスケの両方を続けていられていると思います。

前田選手の献身的なプレー:戦う最大の理由

―前田選手のプレーは、ディフェンスやリバウンドなど、チームへの献身的なプレーが特徴だと思いますが、どんなマインドで試合に挑んでいるか教えてください。

自分で攻め切って点数を取ることも、すごく楽しいのですが、全員が得点だけを狙っていても、チームは絶対に勝てないと思っています。
スティールやリバウンドを取ることで、試合の流れを変える――地味な仕事かもしれませんが、これでチームの風向きを変えることを今までたくさん経験してきました。

すべてはただ「チームが勝つため」です。
僕のプレーでチームに火をつけられたときは何よりも喜びを感じられますし、それが、担うべき役割であり、僕自身の価値だと思っています。

3x3の可能性と未来への展望

―3x3に興味を持つ学生が増えていることについてどうお考えですか?

率直にとても嬉しく感じています。
一方で、大半の学生にとっては「3x3プレーヤー」よりも「Bリーグ選手」や「実業団の選手」の方が将来像がイメージをしやすいのかもしれません。
キャリアについては幅広く見据えつつ、それぞれの競技の魅力をまずは体験して欲しいと思います。

例えば環境面では、3x3にもU21・U23といった大学生世代が参加できる世界大会があって、学生のうちに世界の選手と戦える貴重な機会があります。
スキル面では、攻撃を組み立てる力や判断スピード、1on1や、2on2の 戦術を増やしたり、強度が鍛えられるはずです。将来的に5人制のキャリアを目指す選手にとっても、学生時代から3x3で培った経験は必ずプラスになると思います。

―前田選手のこれからの目標や、どんな選手になっていきたいかについてお聞かせください。

今年度は、念願だった世界戦(FIBA 3x3 Xian Challenger 2025)に出場することができました。この経験を通して、世界で戦える選手になりたいという想いがより強くなりました。
現時点では、技術・フィジカル・判断力のすべてにおいて、まだ課題が多くあると感じています。
国内大会での勝利と経験を積み重ねながら個人としてのレベルを高め、再び世界の舞台に立ち、そこで通用する、そして勝利に貢献できる選手になることを目標としています。

HOKUSO RHINOS.EXE #51
前田 真吾(まえだ しんご)


1997年 千葉県出身
日本体育大学柏高校卒業後、拓殖大学に進学。大学卒業後は一時競技から離れ、2022年に相模原プロセスに加入。2024年に現在の北総ライノスに移籍。

HOKUSO RHINOS.EXE 公式チームサイト
https://www.backseat.jp/

HOKUSO RHINOS.EXE 公式Instagram
https://www.instagram.com/hokuso.rhinos

HOKUSO RHINOS.EXE 公式YouTube
https://www.youtube.com/@hokusorhinos

おすすめの記事