学生インタビュー|3x3の経験が、成長の角度を引き上げる(早稲田大学・松本 秦選手)

大好評の学生選手インタビュー。今回は、早稲田大学1年生の松本秦選手に独占インタビューしました。
大学入学後すぐにFIBA 3x3 ユース・ネーションズリーグ 2025 U21 -アジア-(以下ネーションズリーグ)日本代表に選出・総合2位の好成績に貢献。その後、世界大学バスケットボール選手権(以下WUBS)日本学生選抜にも名を連ね、5人制選手としても活躍しています。「高校時代は公式戦の経験が多いわけではなかった」と語る松本選手ですが、大学入学直後の目まぐるしい連戦を経て、3人制・5人制の両競技から確かな成長をつかみつつあります。

※ネーションズリーグ:6/15~21中国で開催された、FIBAが主催する21歳以下の3x3世界大会
 WUBS:8/9・10に東京で開催された、世界の大学が集まる5人制の大会

大学1年でいきなり世界の舞台へ 3x3と5人制の“二刀流”に挑む

はじめに、自己紹介をお願いします。

早稲田大学1年の松本 秦(まつもと・しん)です。男子バスケットボール部に所属しています。バスケットは小学校1年生から始めて、中学ではクラブチームに所属し、高校は今年の3月に洛南高校を卒業しました。3x3には高校1年のときから触れていて、昨年度の3x3 U18 日本選手権では優勝しました。インサイドプレイヤーからオールラウンドプレイヤーに高校3年間で成長できたのは、3x3に触れる機会があったことも大きかったと思います。

大学に入学してからすぐに、3x3の日本代表に。すごいスピード感ですね。

ありがたい機会に恵まれて嬉しい反面、正直に言うと「活躍できている」という実感は全然ありません。技術も経験も環境の変化への対応力も含め、世界戦に出てみて「まだまだ足りない」と実感することの方が多いですね。移動の疲れがどれだけプレーに影響するのかも、今回の遠征で初めて痛感しました(笑)。世界戦での経験も、それに順応する対応力も、まだまだと感じています。
ですが、世界戦に出る・世界のチームと戦うことで、「自分の強みは何か」「補うべき弱みは何か」が見えてきたのはとても良かったと思っています。

FIBA 3x3 ユース・ネーションズリーグ 2025 U21 -アジア-で 男子日本代表は準優勝(写真左:松本選手)

環境を言い訳にしない、どこでも輝ける選手に

経験を通して「自分の現在地」が見えてきたんですね。

そうですね。自分の伸ばすところ・改善すべきところが明確に見えましたし、初めて経験すること・新しい発見から得られる学びもありました。
海外チームとの試合では、日本では見たことのないプレーに対峙することもあって、試合後に「相手がこう攻めて来たときに、自分はどうすれば良かったのか?」と自問自答することも多かったです。
代表チームは、普段生活を共にしている仲間と離れて、短い期間でチームを作らないといけませんよね。集まってすぐにチームとして機能するわけではないので、ヘッドコーチの指示に柔軟かつ素早く対応し、自分のパフォーマンスを出せるようアジャストできるコミュニケーション力が必要なんだと改めて気づかされました。
世界で戦い続けるには、どんな環境・どんなチームでも、自分のパフォーマンスを発揮できることが不可欠です。これからたくさんの経験を積み重ねて、どんな場所でも輝ける選手になりたいと思いました。

日本代表が優勝したFIBA 3x3 ユース・ネーションズリーグ 2025 U21 -アジア- STOP4

世界のチームで、印象的だったチームはありましたか。

ネーションズリーグで戦った、優勝チームのニュージーランドです。
ニュージーランドの選手は僕たちと同じで、普段は全員5人制をプレーしている人たちが3x3の代表選手として集められたメンバーでした。3x3の経験値は日本代表と大きく変わらないはずなのに、「個」の力が段違いでしたね。ビッグマンでもスピード感のある動きをしますし、シュートの精度も高いことが印象的で、「もっと成長しないと」という気持ちにさせられました。
WUBSでも、ガードのフィジカルがとても強くて驚きました。僕が見てきた日本のガード像とは全然違って、速さだけでなく、当たり負けしない強さがあるんです。身体のつくりの違いがパフォーマンスに直結している「世界のレベル」を目の当たりにしました。

3x3の経験が、5人制のパフォーマンスを底上げする

4ヶ月で新人戦(5人制)、ネーションズリーグ(3x3)、WUBS(5人制)と、めまぐるしいスケジュールでしたね。大変だったのではないですか?

本当に大変でした。(笑)
5月の3x3 ディベロップメントキャンプ(JBA主催のU23・U21選手の発掘と育成、日本代表活動に向けた選手選考のひとつ)から、あっという間に過ぎていきました。
考える余裕もなく、「やるしかねえ」といった精神で乗り切りましたね。
今思えば、ネーションズリーグに参加したときはまだ3x3の競技自体にも慣れていなくて、人見知りな自分が3年生の先輩たちの輪の中に飛び込むのもとても緊張していました。でも皆さん優しくて、たくさん話しかけてくれたので安心して競技に挑めました。
特に、石口直さん(中央大学)が3x3で世界大会の経験がある先輩なので、短い期間で色々教えてもらえたのは大きかったです。一週間、バスケのことだけを考えて、毎日海外チームと試合をできたことも新鮮でした。優勝には一歩及ばずでしたが、とても貴重な経験をさせてもらえたと思っています。

短期集中で得られるものも大きそうですね。

そうですね。まだ実感は薄いですが、これから振り返ったときに「成長してるな」と気付くことができるのかもしれません。
僕は、他の日本代表選手に比べて経験が圧倒的に足りないので、3人制・5人制の区別なく、とにかく場数を踏んで経験を増やしていきたいです。その中で、より強い選手になれればと思っています。

3x3のプロチームへの挑戦についてはいかがですか。

まだ1年生で授業も大変なので(笑)。3年生くらいに時間に余裕ができたら考えたいですね!

©早稲田大学 バスケットボール男子部

「経験値」が将来の財産になる学生こそ、3x3をやってほしい

最後に、後輩や読者の学生バスケプレイヤーに向けてメッセージをお願いします。

試合経験は、試合に出ないと得られないものです。試合に出る機会は自分の実力はもちろんですが、環境によって大きく変わると思います。舞台に立つ数を増やしたい人は、3x3は絶対にやったほうがいいと思います。
5人制と3人制、両方をやることで環境を変えられるし、自分の中に色んなプレーのパターンを作ることができると思います。3x3は個人の力が重要視される競技だからこそ、「一人の選手」として自分の力を試せるのも魅力ですね。高校からでも大学からでも遅くないと思うので、ぜひ挑戦してほしい。競技者が増えてくれたら嬉しいです。


早稲田大学 男子バスケットボール部
松本 秦(まつもと しん)

2006年 兵庫県出身
洛南高等学校 卒業後、早稲田大学に入学。
・第11回 3x3 U18日本選手権大会 優勝
・FIBA 3x3 ユース・ネーションズリーグ 2025 U21 -アジア- 日本代表・準優勝

早稲田大学 バスケットボール男子部 公式Instagram
https://www.instagram.com/waseda__bigbearsbb/

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